妊娠中の歯〜「ミネラルの知られざる世界(20)」

カルシウムの役割は、ぺーハーを上昇させるだけではない。それは、骨や歯の必須の原料でもあり、そのイオンは筋肉の収縮の鍵をにぎっている。筋肉繊維の膜を、カルシウムイオンは出入りしているのだ。カルシウムイオンの存在は、律動を絶やすことのできない心筋にとって、とくに重要である。


ぺーハーの高い血液は凝固しやすい。出血がなかなかとまらない人は、カルシウムイオン不足と、一応は判定できる。生理期間中の女性の体液はぺーハーがさがっている。体調がさえないのも、酵素活性が低下しているためである。


かくも重要な、ミネラルの腸壁からの吸収を助けるものとしてピタミンDがあり、妨げるものとして脂肪酸、フィチン酸がある。玄米のフィチン酸が、重金属の吸収を妨げると同時にカルシウムの吸収を妨げる点は問題だ。カルシウムの要求量のとくに多いのは妊婦である。


胎児が骨の形成のためにそれを母体から吸収するためだ。食品からの補給が不十分なとき、カルシウムはまず母体の骨から抜けてゆく。骨が限界近くまで脱灰したとき、歯が対象になる。妊婦の歯が悪くなったとき骨はもっと悪い状態におとしいれられる。


カルシウムの給源は、西欧的には牛乳やチーズであるが、日本的には小魚とされてきたが、最近は沿岸の環境汚染の影響があるので、敬遠するのが賢明であろう。



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