カンジダは治りにくい
カンジダによるおりものや性器のかゆみで悩んでいる方が増えています。今回は性器カンジダ症について解説します。 性器カンジダ症は治療後に、膣や外性器に症状が再びでてきて再発するケースがよくあります。さらに治療してもなかなか症状が改善しないケースもあるようです。
◆性器カンジダ症とは
性器カンジダ症は女性器の感染症として日常頻繁に見られるもので、真菌(カビの一種)であるカンジダによって起こる性器の感染症です。アメリカでは約75%の女性が少なくとも一度は感染し、そのうち約40%が再発を経験するといいます。
◆性器カンジダ症の原因
成人女性の約15%、妊婦の20%以上の膣内にカンジダが存在しているといいます。カンジダは、人の口の中や腸管、皮膚、膣内などにもともと存在していることが多く、発症の原因になります。普通カンジダは人体に害を与えませんが、ストレスや抗生物質の服用など何らかの要因により膣内で異常増殖することで症状がでてきます。
下記が性器カンジダ症をひきおこす要因として代表的なものです。
○身体にかかわる要因
月経、妊娠、糖尿病、薬の使用(抗生物質・ピル・ステロイドホルモン・抗がん剤) 、免疫不全(免疫抑制剤の使用)
○性器周辺の要因
不潔・多汗、通気性の悪い下着、性行為、おりものシート使用による蒸(む)れ、刺激の強い洗浄剤の使用、膣洗浄器(ビデ)の使いすぎ、ステロイド外用剤の濫用、肥満、
※性行為を性器カンジダ症をひきおこす要因の中にいれてますが、全体の中で性行為による割合は5%程度と低く、性器カンジダ症は通常、性感染症には含まれていません。
◆性器カンジダ症の症状
女性のケース
・性器および性器周辺のヒリヒリとした痛み、かゆみ
・皮膚が赤くなる炎症
・白いヨーグルト状や酒粕(さけかす)状のおりものなど
◆性器カンジダ症の診断と治療
性器カンジダは検査結果が陽性(カンジダを保有している)であっても、症状がなければ治療する必要はないとされてます。
治療は、カンジダの症状が確認でき、検査においてカンジダが検出された場合におこなわれます。カンジダの検出は女性の膣内において、非妊婦で15%程度、妊婦では20%以上といいます。そのうち実際治療が必要な人(症状も認められる人)は、非妊婦で約35%、妊婦で約15〜30%程度といわれてます。
◆性器カンジダ症の診断
性器カンジダ症はトリコモナス膣炎や細菌性膣症などと見分けるために、顕微鏡による検査物観察(鏡検)、検査物の培養、性器および性器周辺の炎症の確認、膣内のPH(ペーハー)測定、膣内のおりもの状態や炎症の確認、かゆみやおりもの増加などの自覚症状を確認する問診、などの結果を総合的に判断して診断されます。
注;鏡検や培養をおこなう検査物⇒性器の病変部分から採取した検査物や膣内容物
◆性器カンジダ症の治療
治療のための一般的な注意としては、性器を清潔に保つこと、刺激性石けんの使用禁止、通気性のよい下着の使用、症状が有る場合は性行為を避けること、などがあります。
【治療薬】
膣錠、膣坐薬、軟膏、クリーム、経口錠(飲み薬)など
一般的な治療としては、毎日通院して膣内洗浄と膣錠か膣坐薬の挿入をおこないます。
【膣錠、膣坐薬】⇒イミダゾール系の抗真菌薬を使用
・エンペシド膣錠
・フロリード
・アデスタンG100
・オキナゾールV100など
約1週間の治療を行って効果を判定、もし効果が不十分な場合は、追加治療も検討します。毎日の通院が困難な場合は、週1回の通院による膣内洗浄と膣錠か膣坐薬の挿入ですむ治療方法もあります。
治療効果は連日治療する方法のほうがやや優れています。これらの膣錠、膣坐薬による治療とともに、軟膏やクリーム(エンペシドクリーム、フロリードD、パラベールクリーム、アデスタンクリーム、オキナゾールクリームなど)を1日2〜3回患部に塗ります。
1〜2週間の治療により85〜95%は治るとされています。治療により、かゆみやおりものなどの症状がなくなれば治療終了となります。この場合、カンジダが完全に消失する場合もありますが、カンジダがなお少数存在しているケースも含まれています。
◆治りにくく、再発を繰り返す性器カンジダ症
治療してもなかなか症状が改善されない場合や再発を繰り返す場合には、以下ポイントを考慮する必要があります。
1)治療薬の変更
カンジダには種類が何種類かあるので、再発を繰り返す場合は初回治療薬と異なる薬に変更してみることも必要です。
2)性器カンジダ症を引き起こす要因の除去
セックスパートナーの男性の陰茎に、抗真菌剤の塗布が有効なケースもあります。
抗生物質、ステロイド剤、ピル、糖尿病、通気性の悪い下着、刺激の強い洗浄剤の使用、膣洗浄器(ビデ)の使いすぎ、などの要因除去を検討します。
3)自己感染の防止
治療により膣内のカンジダが一時的に消失しても、自分の腸管などにもともと存在するカンジダが肛門から膣内に侵入という感染経路により、新たに膣へ感染することが再発の原因であるという説もあります。この場合、抗真菌薬の経口剤(ファンギゾン内服錠などの飲み薬)を服用します。
◆男性の性器カンジダ症
男性の場合には性器にカンジダを保有していても、症状のでることは少ないといいます。(90%は症状がでない)
○症状がでるケース
包茎、糖尿病、ステロイド剤などが要因で、亀頭包皮炎になる場合があります。症状としては、亀頭や包皮に赤むけのような発疹があらわれ、かゆみや痛みを伴うこともあります。白い苔状のものが見られる場合もあります。軽い尿道炎をひきおこすこともあります。
検査は、亀頭冠状溝(通称カリと呼ばれる部分)あるいはその周囲を綿棒でこすって採取した検査物を培養します。しかし検査の信頼性は低く、感染していても陰性の結果になりやすいといいます。治療は性器を清潔に保ち、抗真菌薬の軟膏やクリームを塗ります。
>>性器カンジダ症について
>>亀頭包皮炎について
>>外陰炎について
>>膣トリコモナス症について
>>細菌性膣症について
>> クラミジアを自宅で人に知られずにこっそり検査する
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